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コラム

温暖な 瀬戸内の 気候を生かす~地域の暮らしを楽しむ住まいのアイデア~

海に浮かぶ牡蠣いかだ、生産量日本一を誇るレモン、良質なお酒…。広島には全国に誇る素晴らしい特産品がたくさんあります。このような特産品の多くは、広島の瀬戸内式気候によるものが多いのではないでしょうか。年間平均気温は15℃から18℃と年間を通して暖かく、年間日照時間が長く、年間降水量も少ない上、夏は四国山地、冬は中国山地が季節風を遮り空気が乾燥しています。その気候が柑橘類やブドウといったフルーツの栽培や、牡蠣の養殖に生かされているのです。

反面、夏は瀬戸内海を囲む山々が風を遮り「夏夕凪」という現象が現れます。夏の夕方にパタと風が止まり、蒸し暑さを感じさせる瀬戸内特有の気候です。もっともこの夕凪が世界に誇れる美しい夕焼けを演出しているのですが…。温暖な瀬戸内の気候は冬は暖かく、夏は蒸し暑い。家づくりをする上で必要なのは、夏は明るさを残しながら日差しを遮り、冬は日差しをたっぷり取り込むこと。これによって過ごしやすい環境になります。

瀬戸内の気候を生かした家づくりを行う上で、最も大切なことは風と太陽と友達になること。この暖かな日差しと風を室内に取り込むことです。そのために季節や時間帯によって変化する瀬戸内の日差しと風の動きをよく知り、家に招き入れるための設計をしていきましょう。

その反面、強い紫外線などの影響で、建物の痛みが進みやすいことも確か。潮風も考慮して家のアンチエイジングをしっかり行い、外壁色に濃い色を選ぶときには断熱材をよく検討する必要があります。屋根はサビの少ない釉薬瓦を選ぶなど塩害対策も必要。こうした工夫によって温暖な瀬戸内の気候を生かすことができるのです。

島々と瀬戸内海が織りなす風景。刻々と変化する自然を身近で感じさせてくれる場所