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コラム

耐震設計にはどれだけ費用がかかる?~安心・安全に暮らすための住まいの知識~

●【表❶】耐震等級表

 

 

 

 

 

 

 

地震対策の重要性が分かったところで、現実的に、地震に強い家は一体どのくらい費用がかかるのでしょうか?

【表❷】は建築基準法の仕様規定、つまり、法律で求められる最低限の強さを持つ家と、品確法の性能表示計算で「家族の生命と財産」を守るためにつくった家の費用の比較。条件や難易度によっても変わりますが、耐震等級3にすると、最低限の強さの家よりも概算で約65万円高くなります。

ただし、家にかかるお金をトータルで見ると、地震対策を強化することで支出が減る部分もあります。それは、保険料の割引です。地震保険に入ると、以下の通り耐震等級によって保険料の割引率が変わります。

耐震等級3……割引率50 %
耐震等級2……割引率30%
耐震等級1……割引率10%

つまり、耐震等級3の家を建てれば、耐震等級1の家よりも40%分も保険料が安くなり、支出を抑えることができるというわけです。現在の広島(中国5県)の地震保険料金は【表❸】の通りです。

耐震性能を上げて耐震等級3にすれば、費用は約65 万円高くなりますが、それに伴い地震保険料が35年で約25万円安くなります。つまり、35年の収支の差額が約40万円。1カ月あたり        1000円弱という計算となります。この費用、万が一地震が起きたときに備える安全と安心に払うお金と考えれば、決して無駄な投資ではないのではないでしょうか。

 

●【表❷】新築時に建築基準法の仕様規定でつくった家」と、
「 命と財産を守るため、品確法による性能表示計算でつくった家」の費用の差

 

 

 

 

 

 

 

 

●【表❸】現在の広島(中国5 県)の地震保険料金

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鉄筋工事の現場

 

 

 

 

 

 

 

筋交い工事の現場