*
コラム

高断熱・高気密のコストの考え方~健康に暮らすための住まいの知識~

【断熱性能はどこまでやればよい?】

気になるのは、高断熱・高気密住宅のコストです。限られた予算のなか、良いと分かっていても、なかなか理想的にはいかないもの。ここでは、どこまで高断熱化して、どのくらい費用がかかるのかをお話しします。

断熱性能の良し悪しを知るには、UA値(外皮平均熱貫流率)を参考にすることができます。これは簡単にいえば、その家の床・壁・天井・窓から逃げる熱の量を表すもので、数字が大きくなるほど断熱性能が低く、数字が小さいほど断熱性能が高いことを表しています。現在、国が定める省エネルギー基準では、広島エリアに限らず、UA値は0.87と一括りになっています。ただし、この数値は2020年には法律による義務化が予定され、将来、最低限必要になる断熱性能といってよいでしょう。そのため、これから家を建てるのであれば、少なくともUA値0.6以下、県北部では0.45以下を目指したいものです。なお、本書で紹介している住宅は、平均で 0.5。上記の断熱性能に、UA値を表示していますので、参考にしてみてください。

 

【高断熱化にはどのくらい費用がかかる?】

上記性能は私たちが考える地域ごとの費用対効果が見込める性能です。国が定めている基準の性能では、光熱費が下がらず、生涯住宅コストを下げることができません。断熱材や窓はきちんと施工をすれば、長期に渡り快適性や経済性を担保してくれます。まずは壊れないものにお金を投資することが、大切な資産を守ることにつながります。

 

棒グラフは断熱性能を上げることにより、どれだけのエネルギーと暖房費を削減できるかをモデルプランで計算した例。結果、断熱性能を上げたことにより、沿岸部では116,196円削減できる

 

表は断熱性能向上のために必要な初期コストと、光熱費削減により初期コストを回収できる年数を計算した例。最大でも14 年で回収できることが分かる。住宅ローンの返済期間が35 年であることを考えると、高性能化によるメリットは大きいと言える

 

※ 1 樹脂ArLow-E =樹脂サッシ+ Low-E 複層ガラス(アルゴンガス入り)
※ 2 HGW=高性能グラスウール
※ 3 GWB =グラスウールボード
※ 4 付加断熱=充填断熱+外張り断熱

【データについて】
※断熱性能向上は夏対策(日射遮蔽)も併せて検討が必要です。
※本データは一般社団法人 新木造住宅技術研究協議会の資料を元に作成しています。
※計算モデルは延床面積120㎡の住宅を元に試算しており、各数値は床面積、建物形状により変わります。